＜解説＞ 大型投資をする日本人を締め出すための嫌がらせから学べることは、アメリカでビジネスを始めるときにはそのビジネスに関する法律を学び、違法性のあることを行わない。不動産を購入して、何か行動に移すときには、売買エージェントに、その都度確認するなどが必要だと思います。 当時のサイトのページ

過去のマーケット情報、2010年7月

売り物件の少なさゆえにハワイ不動産市場は、あたかも休止状態のようです。 これは、売れ残りの一掃の時期と理解し、新たな売り物件が出てくることを期待します。

さて、最近のニュースでは、ある日本人が所有する多くの豪邸を　ホームレスの人々に貸し出すということが書かれていました。 素晴らしい行為のようですが、法律に抵触するのではないかという批判が近隣から寄せられています。 近隣の不動産の価値を下げたり、物件所有者たちの不安をあおる行為です。
この件に関しては議論の余地がありますが、彼はハワイでは有名な不動産投資家で、ハワイカイの借地権つきの莫大な広さの土地も購入していました。 ですが、購入した翌年に借地料を数十倍に上げられたのです。これは簡単に言いますと「嫌がらせ」です。 彼はこの借地権つきの土地を売却するしか道はありませんでした。
この借地権つきの土地所有権持っているのは、ハワイでは有名な財団で、構成する人々には政治家が名を連ねています。 政府と密接な関係にあると推測する人は多いと思いますし、たとえ、訴えても有利な結果は得られないでしょう。 采配を揮るはずの州政府が動かない推察されることが最も大きな弊害です。 海外からのハワイへの投資を望んでいながら、州政府の表向きの顔と、その行動が伴なわないのは、狭い見識が大型の投資家を冷遇しているのではないかと危惧します。
この日本人投資家については、評判がよくないという指摘がありますが、不動産の法律を知りえる手段が一般的な人々にはありませんので、いちがいに責めることはできません。
知らないうちに違法性のある行為をしてしまうことがあります。 たとえば、コンドミニアムの管理組合の運営に大きな不満を持つと思われる所有者たちが、コンドミニアムに致命的な悪条件が存在するかのように繰り返して発言し、価値を貶めたり、他の所有者たちを不安にするなどのことがありましたが、ともすれば人々の安住の権利を奪っていますので、違法性があります。
また、コントラクターのライセンスがないにもかかわらず１０００ドル以上の修理や内装工事を請け負うことや、不動産免許が無いにもかかわらず、複数の人々の物件の管理を請け負うことなども違法です。 違法行為を肯定できませんが、法律を知らないのですから防ぎようがありません。 アメリカでビジネスを始めるときにはそのビジネスに関する法律を学ぶということや、不動産を購入なさる場合は、購入後も　気軽に声をかけて情報を得られる売買エージェントとお付き合いされることをおすすめします。
なお、後日談ですが、先の日本人投資家が購入した４０ミリオンの借地は、１０年後には、土地所有権つきで売りに出され、半額以下の価格で売却されています。 売買エージェントの適切なアドバイスが必要であったということと、この日本人投資家は、他にも多くの不動産を購入しており、ハワイの不動産市場に大きく貢献しているにもかかわらず、冷遇扱いを受けたことは、州政府の狭い見識が災いしたと思います。同じ日本人として、やるせない思いです。