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ハワイ不動産マ-ケット情報 2011年5月


ハワイ不動産の最近のニュースでは、景気低迷の中で経済が逼迫した不動産所有者へ手が 差し伸べられるというものがありました。 ハワイの抵当流れの手順は、3ヶ月の不払いのあとには、ほぼ自動的に銀行などの貸し手が 抵当流れの手続きを行うことになっていましたが、今後は、 抵当流れになる前に、不動産所有者と貸し手の双方が顔を合わせる場が儲けられるように なります。これは、弁護士を通さずに貸し手と直接に相対することで、物件所有者が抵当流れの 手順を知ることや、その回避の方法などを交渉、模索し、具体的に実行できるようにするためです。 ハワイ不動産市場の値崩れ防止に繋がる政策です。

ところで、現在のハワイ不動産市場ですが、日本からの避難のお客様が多くいらしたこと、賃貸の需要や 売買市場には、震災の影響や陰りは見えないことがあげられます。
それどころか、これと思われる物件の売れ行きが早く、数日で売買契約されたり、 既に買い注文がはいっているということが多く、毎日探す、売り物件の出現を待つ、すぐにアクションを 取ってやっと売買契約にこぎつけるということで、満点の売り物件を 購入するには難しい時期となっています。ハワイに移住なさりたいというご希望も 多く、円高(5月にはいってからの最高値1ドル79円)も手伝って、 将来設計のための不動産購入の目的のお客様が多くなっています。

最近の日本からの観光客数は、激減しており、ハワイ経済に与える影響は必至と思いますので、 今後の不動産相場の成り行きは気になるところです。売り物件が増えることを期待したいと思いますが、 長い目で見た今後のハワイ不動産市場を予想してみたいと思います。 これを語るにあたって、開発という言葉がキーワードになります。 開発にこだわるのは、それが住宅事情を向上させ、経済に大きく影響するからです。 住宅やその用地が少ないことによって、もし、開発が進まなければ、賃料が高くなり、多くのホームレスを生み、 治安が悪くなって人と物流を妨げれば、経済の疲弊をもたらすという悪循環が生まれます。 よって、新規のコンドミニアム販売の売れ行きが順調であれば、新たなコンドミニアムの建設計画が 立てやすく、今後も安定して住宅が供給されるということになるでしょう。住宅市場が 動くことが景気を大きく刺激します。

先日、カラカウア通りとベレタニア通りとの交差点近くに アフォーダブル(一般市民が購入できる価格)のコンドミニアムの販売が行われましたが、 たった3時間で完売しました。アフォーダブルのコンドミニアム需要は留まるところを知りませんので、 少ない用地をみつけての開発は益々進むと思います。
ハワイの地図を広げてみますと カイルアやワイマナロ、ワイキキのハレコアなどの美しいビーチ沿いを含め、 ハワイの要所は、軍が陣取っており、オアフ島の25%の土地は、軍がコントロールしています。 先月のマーケット情報には、ドンパチするだけが戦争ではなくなったということを書きましたが、 それでもハワイの軍の拠点という重要さは変わりません。 1970年代には、ダイアモンドヘッド周辺の軍所有地が払い下げられて現在はカピオラニコミュニティーカレッジと なっていますが、それ以降は、軍の用地の州や一般用地への転用は、私の知る限りありません。 また、テロとの戦いを掲げて以降、軍備が拡大され、ハワイの軍が縮小される気配はありませんので、発展を する土地は、オアフ島には産業地区以外にはありません。この産業地区がどのように発展していくのかということも 今後のハワイ不動産の見通しを占います。

 産業地区の中のひとつ、ワイキキの西隣、カアアコがコンドミニアムの建設ラッシュということは、 どなたもご存知ですが、ここに東京の青山通りなのかと思わせるようなレストランが数軒できており、次から次へと 客が並んでいます。いかにも産業地区であるという敷地と古い倉庫などの暗さの中に忽然と 現れて輝いています。粋な雰囲気とサービスにオーナーの意気込みさえ 感じました。今後、このような店舗が増え、芸術的な色合いが加われば、 カアアコ地区はハワイのSOHO (マンハッタンにある地区の名) という異名を取るかも 知れないと思った次第です。

この度の東日本太平洋沖地震により被害を受けられた皆様へ 心よりお見舞い申し上げますと共に、皆様のご無事と被害地区の 早い復興をお祈りしております。

震災については、多くを語らずにハワイ不動産のマーケット情報に戻りたいと思いますが、 ひとことのみ記載させていただきます。 原子力委員会の意見募集に多くの国民が反対意見を寄せたり、 それらにまつわる本 が売れているというのは、 嬉しい息吹きです。まずは、浜岡原発が停止されることが日本の命運を左右すると 思います。また、福島の原発被災地区では、捜索が1ヶ月以上行われず、 津波被災の翌日にがれきの下から多くの助けを求める声があったこと、そして、 怪我がなくとも瓦礫の下で動けなかったというだけで凍えて亡くなった ということであれば、これ以上の悲劇があるでしょうか、ということを訴えたいと思います。 この事実に焦点をあてずして被災を語ることは許されません。
原発がなければ助かった命であるという議論と、原発災害にも活動できる 化学生物部隊の検討が必要でしょう。 地下鉄サリン事件を教訓にアメリカには、この化学生物部隊(シーバーフ)を設けましたが、 地下鉄サリン事件が起きたのは日本なのですから、言葉になりません。

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プラスセブン不動産            
代表取締役社長 : 真田俊彦      



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