ハワイ不動産マ-ケット情報 2011年2月

ハワイ不動産市場は、冬のハイシーズンという買い手が多い時期に、彼らが満足する売り物件は少なく、 需要を満たしていません。
そのときの相場は個々の売り手が作り出し、市場は売り手の心理の 集約されたものとも言えます。そこには、時として 売買契約の可能性や不景気などを考慮せず、不動産取得時の価格や利ざやのみを 考慮している場合があり、割高な相場や市場の停滞を生み出します。 では、何が適正価格であるのかということになりますと、正確な基準というものがなく、その数字は相対的で流動的 です。しかし、そこには、明確に買い手の食指が動く数字とそうでない数字があります。 底値であるはずの今が買い時と判断し、市場をよく知っている買い手は、この時期に 適当であるという水準や条件がありますので、それらを満たしていない数字は目に入りません。 そして、買い手を満足させる売り物件は、市場に出た直後に 飛ぶように売れています。
物件見学中に写真を撮り、家族と相談する間や、 物件見学を目的として、ハワイへの旅程を立てた直後にお目当ての 物件が他者によって売買契約されてしまうということに肩を落とすことが少なくありません。 それを防ぐためにはまずは買い注文を入れ、物件をおさえることです。その後はキャンセルが可能であり、デポジットも返却されます。 そして、同様の条件の オーシャン側の売り物件が出たら、次回は、買い注文を入れるアクションを早くという覚悟を決めますが、 そのコンドミニアムでは、半年振りに出たオーシャンビュー側の売り物件でしたので、この先も 気が遠くなるほど待つことになるかもしれません。見通しは全く白紙となってしまいます。 ですが、あきらめるには早いかもしれません。先のように気軽に売買契約した人が購入を キャンセルすることがあるかもしれませんし（売り手へはキャンセルになった場合の一報を たのむこともおすすめします）、この時期は、割安のいい条件の売り物件が出ることがあります。 それは、経済が力強い回復基調にはなっていないからです。ワイキキの売り物件は、比較的裕福な 人たちが購入していますが、それでもローンを組んで購入している人や失業を契機に 売却せざるを得ないということになりますと、早期の売却希望となり、割安の条件のいい 売り物件が出てくるのです。
１月２５日に行われたオバマ大統領の一般教書演説では、 最優先課題は雇用の回復であると強調しました。住宅政策、不動産市場の回復も 雇用を創出しますが、卵が先か鶏が先かの議論となりますと、不動産市場のテコ入れ よりも、もっと根本的な観点からの雇用捻出は、インフラ整備や企業を再生すること、 税制改革などであると発言しました。企業が元気になって、雇用が拡大し、一般国民が 豊かになって、不動産市場も回復するという、いわばスタートラインに 戻ったかのような経済政策です。アメリカ経済の回復軌道が、 とても緩やかであり、力強いものではないからでしょう。