過去のハワイ不動産市場情報 2012年2月

現在のハワイ不動産市場は、投資物件のステュディオなどよりも 住まいや別荘に適した１ベッドルーム以上の物件や一戸建てがよく売れています。
また、市場に売りに出してから売買契約されるまでの期間が短くなり、 いい売り物件は、特に売却しやすい時期といえるでしょう。 ここ数ヶ月では、市場に売りに出して１０日前後で買い手をつかんだ売却物件が 売買の履歴に多くみられます。これは、格安物件であったので、買い注文が 早く来たと考えるのが普通ですが、最近の状況は少し異なると思います。
当社では、近年、とことん自分の好みの物件を手に入れたいという購買層が、 増えてきています。コンドミニアムを調べて、滞在経験を繰り返し、１０年かかって、やっと 気に入った物件を手に入れたというオーナーもいます。 最高の物件を手に入れる努力と時間を惜しまない 購買層は、コンドミニアムのビルと、その階数やながめを指定して、 その売り物件がでてくるまで待ちます。 購入時期については、好景気よりも不景気のほうが買いやすいと理解しており、 コンドミニアムや市場のことをよく知って購入しています。 当社では、それらの人々の注文に応じて毎日、市場を確認している 担当が多忙になっています。
要するに買い手は、賢くなっており、既に購入対象を絞っていたので、 市場にでたばかりの物件の買いか否かを判断できるのです。 よって、売りに出して早くに買い手をつかんだ売却物件が多かったと言えるのだと思います。

ところで、当社にはときどき、ハワイの荒地の価格や 売却についての問い合わせがあります。
あるハワイ島の土地では、溶岩流の危険性があり、到底売却できないと判断できる場合や 値上がりしな買った荒地で、現地の不動産会社からは、 家を建てれば、売却できるといわれたという人もいます。 売却価格は、家を建てる資金とほぼ同額であると判断されたり、家を建てても 売却できるという保証がありませんので、大きな損失の可能性を考慮すれば、 家を建てることは返って傷口を広げることになりかねません。 実際に見学することなく、また、よく知らないで不動産を購入したことによる失敗です。

さて、コオリナリゾートというのは、日本の皆様も既によくご存知のことと思います。 ディズニーやマリオットなどがタイムシェアーとして運営され、 ゴルフ場との併設で一大リゾートになっています。 今でこそ、素晴らしいコオリナリゾートですが、 エバ方面の土地にリゾートを建設できるとは当初は誰も想像もしなかったと思います。
まず、最初に、私の古巣、日本航空がイヒラニリゾートスパを建設しました。 そのころ、ハワイ州は、ゴルフ場建設など、大きなプロジェクトには、 インパクトフィーというものを　何ミリオン何十ミリオンと課していました。 しかし、日本はバブルの絶頂期でしたので、 数十億円は、大した資金ではなく、会社組織の判断なので、誰の懐も痛まなかったのかもしれません。
今はマリオットの所有になっていますが、もし、今でも日本航空が所有していれば イヒラニリゾートスパの建設は成功だったといえるかもしれません。
しかし、現地をよく知る投資家が、
「あの地にホテルを建てることには、相当の勇気が必要でしょう。」 と言うのも、エバ方面は、通年風が強く、海は荒いのです。 よって、コオリナリゾートには、防波堤と、その内側に人工のビーチが作られています。ワイキキも人工のビーチですから、 人工のビーチであっても遜色ありませんが、 波が寄せない海ですので、沖でサーフィンをする人はいません。 マリンスポーツができる場所でもありません。 風の強さを避けるためにリゾートのスイミングプールは建物が囲う位置に作られています。
考えますと、ここまでのリゾートにするまでに既に何十年も経っています。 コオリナリゾートは、まだ完成されていませんので、失敗とも成功とも言えないと思いますが、 いまだ未完成で巨額の投資に見合うとは断言できないところが、個人的には、失敗であると思います。

これらに比べますと今の購買層は入念に物件を調べ、不動産を購入しています。 今後のハワイ市場には、このような購買層が増えていき、活況への後押しをしてもらいたいものです。