ハワイの海

    2016年2月のハワイ不動産市場

    ハワイ不動産市場に激震が走りました。
    新築プロジェクトのヴィーダが、1月中旬に白紙となったのです。 過去にホクアを建設したハワイが基盤で、 重厚な建築がウリとも言える信頼できる開発業者のプロジェクトですので、加熱する建築ブームに水を差した格好です。 開発業者の弁では、過去3ヶ月間の売り上げが芳しくなかったために、計画中止を決定したということです。
    まず、ロケーションに問題があったと思います。 ヴィーダの建設予定地は、オーシャンフロントではなく、海側にはカカアコパークが広がっており、 海はかなり遠くです。そして、将来的には、 カカアコパークに高層のコンドミニアムだけでなく、商業地区の街並みが広がる可能性があるからだと思います。 ワードビレッジのように広大な土地にビルとビルの間隔や公園などの設備を整えながらという開発でない限り、 ビルが乱立する開発かもしれないのです。
    また、この開発業者が2014年に建設したワンアラモアナは、ヴィーダと同様に豪華なハイクラスコンドミニアムです。 売り物件が多く市場にでており、その数は2月6日現在では、31軒で、過去半年にはたった3軒しか売買されていません。 全戸で206軒ですので、およそ15パーセントが売りに出されている計算になります。常時売り物件の多いトランプタワーでも 13パーセントとう割合です。(トランプタワーは全戸で462軒、 2月6日現在の売り物件は61軒です) http://www.plus7corp.com/onealamoana.html 建物には何の遜色もなく、設備も素晴らしいものですが、海側の低い階は、 ビルに囲まれた駐車場のシティービューが広がっており、20階ほどにならなくては、オーシャンビューの快適な ながめはありません。海が遠くであっても、手前が自然の緑が広がるながめであれば、素晴らしいですが、白いコンクリートの照り返しがまぶしい駐車場は大きな欠点かもしれません。そして、たとえば50万ドルの物件であるなら、ながめの遜色は理解できますが、数ミリオンの価格であるなら、買い手としては、完璧な物件、理想的な眺望がある物件を望むのは当然ですので、厳しい評価が下っているのでしょう。また、アラモアナショッピングセンターへのアクセスが利点でしたが、駐車場の向こうに大きなデパートやショップが移動してしまいましたので、そこまではかなりの距離を歩くことになります。それも嫌気されているのかもしれません。

    新築の高級コンドミニアムは、物件が高額であるために、建築前に購入することは大きなリスクがあります。完成後に不都合や欠点が発見される、売却しようと思ってもなかなか売却できない場合は、購入価格を下回っての売却を余儀なくされるかもしれません。 大きなリスクを避けるためにも、完成後に実際の物件を見て満足度を実感してから購入しても遅くないと思います。築浅のアリューアの物件を建築前ではなく、再販でもなく、開発業者から売れ残りの真新しい物件を数割安く購入できた当社の顧客がいます。このような購入の仕方は、大きなリスクを退け、実際に見て購入しているので満足度は高いと思います。 価値と価格が見合うかどうかは、実際に物件を見て判断する、他のコンドミニアムと設備や建築、価格を比べて、容易に見極めることができますが、見ないということは、判断材料がない状況で購入するということになり、極めてリスキーです。 ただ、ホクアの場合は、新築の翌年には2倍の価格で飛ぶように売れていました。これは、不動産市場全体の価格が上昇したということもありますが、ホクアのオーシャンフロントの価値の再認識だったと思いますし、稀な成功例だと思います。 今後の新築コンドミニアムの購入では、
    ・他の築浅コンドミニアムとの価格比較
    ・供給の過剰性の有無(新築ビル建設計画の多少)
    ・実感としての景気や世界情勢
    などを注意深く分析しながら、購入手続きをする慎重さが必要です。また、豪華さを謳うコンドミニアムであるなら、何が豪華なのかという本質的な定義の理解も必要でしょう。重厚な造りを感じさせない、部屋の天井は高くはなく、変則的な形の部屋、そして、ビルの共有部分の通路の狭さ、こじんまりとしたロビーなどは豪華とは言えません。せめて、個々のコンドミニアムの長所の詰めあわせがあってこそ秀でた価値があると言えますし、他のコンドミニアムよりも劣れば、それは、売り手の単なる言い値です。価値に見合わない不動産投資、価値が不明な不動産投資をすることの危険性を十分にご理解ください。
    景気や世界情勢については、過去を振り返ると、一定の平穏のあとに予測不可能な事態、たとえば、ブラックマンデー、サブプライムやリーマンショックのような株の大暴落や金融機関の破綻といった金融危機が起きていることを考慮すれば、そのような可能性にも冷静に対応する心がけが肝要です。


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