過去のハワイ不動産市場情報 2012年9月
ハワイ不動産の売れ筋である物件は、売り手市場の環境にある
現在の市場は夏のハイシーズンが終わり、コンドミニアムによって、
そして、部屋タイプによっては、数が少なく、買い手は、選択の余地
がないということがありますし、一方では、同種に多くの売り物件あり、
ハイシーズンが過ぎて売れ残ってしまったという思いを持つ物件
所有者もたくさんいるでしょう。売れ筋である物件群とそうでない物件
に歴然とした差がある市場です。
買い手は、それらに柔軟に対応する必要があります。
たとえば、売れ筋のハイクラスのコンドミニアムでは、不況とは縁の無い高値のまま
ですので、これらの購入をあきらめて、割安な一戸建てを購入し、
残金で通常クラスのコンドミニアムを購入すると決定して、計画を変更した
買い手もいます。時期と市場によって柔軟に考えたのだと思います。
先月には、「物件によっては、売り手市場の環境にある」ということを
書きましたが、「売れ筋である物件は」と言い換えることが出来ます。
この不況下に不動産価格は底値のはずだという思い込みによって価格設定を
行い、売りに出してはじめて、ご自分の売り物件が売れ筋のグループに属して
いると察知する売り手がいます。売却の際には、まずは、売買エージェントに、
ご自分の売り物件の状況をおたずねになって、市場を分析ください。
ある物件に買い注文を入れたところ、売り手の売買エージェントより、
3件の買い注文がはいった。買い手は値引きしないと決めたので、売り出し価格に
近い買い注文を再度出してくれないか、との話がでました。
要求通りに再度、買い注文を入れなおしたところ、他の条件に
ついての確認の連絡があり、買い値には、満足ということでしたので、
これで、決まるだろうと楽観視していました。
ところが、その日のうちに売買エージェントより回答があり、売却は中止された
ということでした。
一度売りに出して、売買契約される前に売却の計画を中止することは、珍しくありません。MLSの売り物件リストには
そのような売り物件の売買中止の履歴がでています。ですが、それは、思ったように売れないという理由が
多いのです。既に買い注文が入った物件の売却中止は、売り出し価格が安すぎたと売り手が考えたときでしょう。
断言することはできず、あくまでも推察するだけですが、1、2週間で3件の値引きでの買い注文が同時に入り、
3件のどれかに値引きしない価格で買ってもらいたいと考え、値引きしない旨を伝えたところ、3件とも了解して、
値引きしない買い注文を出してきたので、売り手は非常に驚き、ここでやっと自分の売り物件が売れ筋なのだと悟り、
価格を上げようと思ったのです。
この不況下だから、完璧に準備しよう、ということで、売り手の荷物は全て撤去され、ディスプレイ家具で
飾られていましたので、売却の気合十分の売り物件だったのでした。
一方、買い手の気合も十分で、万全の資金の目処を立て、買い注文を入れました。買い手にしてみれば、
売却を中止されたことは、残念なことで、できれば、物件への問い合わせが多くなったとき、または、
複数の買い手が、売り出し価格で購入すると口頭で回答したときに気がついて欲しかったという思いがありますが、
売り手としてみれば、売れ筋物件であることを把握する材料がなかったのかもしれません。
かといって、熟慮して売りに出しても、数日で状況が変化することがあります。
同じグループの売り物件が売買中止や売買契約済みになり、残った物件が売れ筋物件になったときや、その反対に同種の物件が
多く売りに出されて、既に売れ筋物件ではなくなるといった状況です。
そのようなときには、問い合わせの頻度が大きく変化します。もし、売りに出して、数日で売り出し価格での買い注文が複数
はいるということになれば、もっと高くしてもいいのではないかと判断して売り手と相談の上、売買を中止し、高値設定で再度、
売りに出します。
ただ、高値設定によって、市場から敬遠されないためには、考慮すべきことがあります。シーズンによっては、
まだ活発に動く市場であるかどうか、売れ筋物件を維持できる可能性、そして、価格の上げ幅も慎重に設定する必要があるでしょう。
特に、当社の場合、再度売りに出す際には、売買中止前に買い注文を入れた買い手には、
「この価格で再度、売りに出す」
と正直に伝えます。そして、調整した価格での買いをもう一度検討してもらいます。そしてそれらの反応も判断材料としています。
以上の売却の流れは、「市場の反応を見る」という行為に当たります。不動産売買は、ちょっとした手間をかけるだけで、
大きな利益の差がでますので、市場を精査して納得した価格、後悔のないような売り方を試みてください。
SANADAインタ-ナショナル不動産売買
プラスセブン不動産
代表取締役社長 : 真田俊彦
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